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2026.08.31 UP

〈Venchi〉が提案する、”チョコジェラテリア”の魅力

この夏ワンビル1Fにイタリア・トリノ生まれのチョコレート&ジェラートブランド〈Venchi(ヴェンキ)〉がオープン。今回はオープン初日のお店を訪ね、Venchiジャパン代表取締役のフレデリック・ジェダさんに、145年続くVenchiのブランド背景や九州の街で届けたい"チョコジェラテリア"の魅力について伺いました。

145年続く老舗が「チョコジェラテリア」を名乗る理由

〈Venchi〉は1878年、イタリア・トリノで創業したチョコレートブランド。長い歴史を持つ一方で、ジェラートを手がけるようになったのは、実はここ20年ほどのこと。「チョコジェラテリア」というのは、チョコレートとジェラートリアを掛け合わせた、ブランドが大切にしている考え方を表す言葉。チョコレートはチョコレートだけの世界にとどまらず、ジェラートの中にもその個性を広げています。

「チョコレート75パーセントのものもあれば、ヘーゼルナッツやピスタチオと混ざり合ったものもある。組み合わせは無限にあるんです」とフレデリックさんは笑う。

看板商品には、キャビアを思わせる小さな粒状のチョコレートをまとった「チョコビア」もあり、ブランドを象徴する一品として知られています。

抹茶、柚子。日本の食材とイタリアが出会うとき

ワンビルの店内にはジェラートラボが併設され、本場イタリアの製法にもとづいたジェラートを毎日製造。できたてならではのなめらかな口どけが楽しめます。ラインナップは最大16種類で、ブロンテ産ピスタチオやチョコビア75%といった定番フレーバーに加え、日本ならではのフレーバーも並びます。

 抹茶には京都・一保堂茶舗の抹茶を使用し、苦味を抑えて本来の風味を引き出し、柚子は一般的なソルベではなく、あえて生クリームと合わせたクリーミーな仕立てに。「日本の柚子とイタリアの美味しいクリームを混ぜたらどうかな、と試作したら評判が良くて。日本ではなかなか見かけない味だと思います」と、フレデリックさんは振り返る。

 オープン時には福岡店では、オープンを記念した限定フレーバー「ラズベリーチーズケーキ」も登場(現在は販売終了)。甘酸っぱいラズベリーとコクのあるマスカルポーネを組み合わせ、さらにレモンビスケットの軽やかな食感をアクセントに加えた一品で、福岡にパティシエやケーキ店が多いことにちなんで生まれたのだ一品だという。

ジェラートの盛り付けはVenchiならでは

 ジェラートとアイスクリームは、日本では混同されがちですが、ジェラートは単に「イタリア版アイスクリーム」というわけではありません。一般的にジェラートは、アイスクリームよりも脂肪分と空気の含有量が少なく、そのぶん味わいが濃厚になるのが特徴です。加えて、管理する温度にも違いがあります。

〈Venchi〉のジェラートならではの魅力は何かというと、その答えは食感です。日本でよく見かける、コーンにこんもりと盛り付けるスタイルとは異なり、〈Venchi〉のジェラートはケーキのように滑らかな円を描いて盛り付けられているのが特徴。この象徴的な形状をつくり出すには、特別な技術が必要です。専用のスパチュラでジェラートをトレーの中で何度も練り上げ、その組織を変化させることで、よりクリーミーでなめらかな食感に仕上げているのです。

「これができないと、口どけがまったく変わってきてしまうんです」。スタッフ全員がこの盛り付けを習得するまでには、数時間の練習が必要になるといいます。

素材の性質によって、盛る順番にもコツがあります。マンゴーなどフルーツ系は溶けやすいため上に、チョコレート系は比較的溶けにくいため下に。「その間にピスタチオのような夏らしい味を挟むと、バランスがいいんです」と、フレデリックさんの個人的なおすすめの組み合わせも教えてもらいました。

グルメコーン/カップに仕込まれた遊び心

また〈Venchi〉食感の遊び心は、器そのものにも仕込まれています。カップやコーンの内側にチョコレートをコーティングできるオプション「グルメコーン/カップ」があり、食べ進めるうちにジェラートのなめらかさとチョコレートのパリッとした食感が入れ替わる面白さが人気なのだとか。

チョコレートコーティングはオーダー後に目の前で行われます。専用のマシーンから滝のように流れるチョコレートにくぐらせ、コーンのまわりにしっかりとコーティング。

その後、粒状のチョコレートや砕いたヘーゼルナッツをまとい、グルメカップが完成します。「これがたまらないというお客さんも多いんです」とフレデリックさんは目を細める。カリカリとした食感が好みなら、コーンワッフルタイプがおすすめだという。カップやコーンまでチョコレートを堪能できるのは、”チョコジェラテリア”である〈Venchi〉だからこそ。

自然の美味しさを、そのまま届けたい



〈Venchi〉が大切にしているのは、人工的な添加物や保存料を一切使わないこと。「そのぶん商品開発は簡単ではないんですが、自然由来の良い原料を根気強く探し続けています」とフレデリックさんは語る。創業の地・ピエモンテ産のヘーゼルナッツは、世界的に評価の高い素材として知られ、100パーセントそこから仕入れたものを使用。ジェラートに使われるピスタチオは、シチリア島ブロンテ産のもので、収穫できるのは2年に一度という希少なものだ。


砂糖の使い方にもこだわりが。4年ほど前に誕生した「No Added Sugar」シリーズは、天然甘味料を使用した自然な甘みだけで仕上げられています。

リッチでカラフルな、イタリアの日常をそのままに

店内を彩る鮮やかな色使いも、〈Venchi〉らしさのひとつ。フレデリックさんいわく、「イタリアの街を歩くと、美術館のような景色が日常にあるんです。そのアイデアを、お店のデザインにも取り入れています」。先月オープンした東京・銀座の店舗では、たまたま来店したイタリア人客から「ここ、イタリアを感じました」と声をかけられたこともあったとか。

福岡・天神への出店を決めた理由については、「家族連れにもカップルにも、ビジネスマンにも優しい、いろいろな人に開かれた場所だと感じたから」と話します。ラグジュアリーブランドから書店、休憩できるラウンジまで、多様な店が集まる環境も、〈Venchi〉が大切にする"暮らしに寄り添う"というコンセプトと重なったといいます。

特別な日のご褒美にも、大切な人への贈り物にも

ジェラートはもちろんチョコレートの品揃えも見どころのひとつ。個包装のチョコレートだけで36?38種類、板チョコレートも28種類ほどあり、量り売りで少量から購入することもできます。145年以上受け継がれる「ジャンドゥイオット」や「クレミノ」、キャラメリゼしたピエモンテ産ヘーゼルナッツを包んだ「ヌガティーヌ」は、昔ながらのレシピをそのまま守り続けている。

店内中央には、40種類以上のチョコレートから好きなフレーバーを自由に組み合わせられる量り売りコーナー「My Venchi Mix」を用意。壁一面にタブレットチョコレートが並ぶ「Bar Chocolate Wall」も、定番から季節限定まで一度に見渡せる見どころのひとつです。ギフトボックスは2,000円台のものから、クリスマスシーズンには2万円を超える豪華な仕立てまで幅広く揃うといいます。

東京・大手町店では、ビジネス街ならではの使われ方も生まれているそうです。「会議がうまくいったご褒美に、とお昼にジェラートを買いに来る方もいれば、大事な会議の前に、部下のモチベーションを上げたいからと差し入れに来る上司の方もいるんです」。学校帰りやピアノのレッスン帰りに、親子で「今日どのチョコレートにしようか」と選ぶ光景も、東京の店舗では日常的な風景だという。

九州初出店の<Venchi>をワンビルで味わって

「リッチでカラフルな、イタリアのブランドが初めて九州に出店しました。イタリアの文化に興味がある方は、ぜひ実際に体験してみてほしいです」。フレデリックさんはそう語り、来店を呼びかけます。

チョコレートとジェラート、ふたつの世界が重なり合う〈Venchi〉。仕事帰りのご褒美に、大切な人への贈り物に、あるいはただ気になっていたひと皿を試しに、ふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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Interview & Text & Photo_Yumi Hyfielde
Edit_Taku Kobayashi


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