昨年末、2025年のクリスマスは、ワンビルにとって開業後初めて迎えるクリスマスでした。館内では、6階スカイロビーでの「ONE CINEMA」、1階の「Spiral Xmas Market」、地下の「MERRY GO UNDERGROUND」など、複数の企画が同時に展開されていました。同じ時間帯でも、フロアごとに異なる過ごし方があり、映画を目的に足を運ぶ人、買い物の途中にクリスマスマーケットをのぞく人、仕事の合間や休日に地下で足を止める人など、来場者の動きはさまざま。上下のフロアを行き来しながら、それぞれが自分のペースで時間を組み立てていく。そんな光景が、館内のあちこちで見られました。
今回はワンビルにとって初めてとなるクリスマスシーズンの様子をアーカイブレポートします。
商業施設でありながら、オフィスやホテルも併設するワンビル。買い物を主な目的とする人だけでなく、仕事帰りに立ち寄る人や、家族連れ、友人同士など、多様な人の流れが交差するなかで、初年度ならではのクリスマスの風景が静かに広がっていました。
「何をするかを決めるところからのスタートでした。商業、オフィス、ホテルといった異なる利用者が行き交う建物のなかで、まずは6階スカイロビーがひとつの結節点になることをイメージしました。」施設担当者の堤さんは、初めてのクリスマスに込めた想いをこう語ります。
また今回のクリスマスでは、「ギフト」というテーマも、施設としてひとつの軸になっていたそうです。
「ワンビルには、日常の買い物とは少し違った魅力を持つ店舗も多いので、まずは“選ぶ楽しさ”に気軽に触れてもらえたらと思います。自分へのご褒美として、あるいは誰かを思い浮かべながら。価格帯やジャンルに幅を持たせることで、気負わずにギフトを選べるきっかけをつくりたいという想いがありました。」

1階グランドロビーで開催された「Spiral Xmas Market」には、アートやクラフト作品が並び、会期を通して複数の作家・クリエイターが参加しました。ブースに並ぶのは、イラストやグラフィック作品をはじめ、アクセサリーや立体作品、日常使いできるアイテムなど、ジャンルもさまざま。

今回のクリスマスマーケットは、3期に分かれており、出店者が入れ替わるため、訪れるタイミングによって異なる作品が並び、何度でも楽しめる工夫も。ショッピングや仕事の合間に立ち寄り、足を止める人や、ギフトを探す目的でじっくりとブースを見て回る人の姿も見られました。
またクリスマスマーケットで買い物をすると、今回のクリスマスのメインビジュアルを手がけたアーティスト村山大明氏が描いた特製チャーム付きのオリジナルショッパーをプレゼント。繊細なタッチで描かれた美しいイラストは、クリスマスを華やかに彩ります。

出店していたクリエイターは、「アートに強い関心がある方だけでなく、クリスマスの雰囲気に惹かれて立ち寄る方も多く、作品との距離感が近い場だと感じました」と振り返ります。
ショッピングを目的に立ち寄った人が、気づけば作品を見比べていたり、作家と会話を交わしていたりする。そんな場面が、マーケットの随所で見られました。
6階スカイロビーで行われた「ONE CINEMA」。取材をした日は金曜日の夕方ということもあり、仕事帰りの人や家族連れ、カップルなど、幅広い層で賑わいをみせていました。

上映前のフロアでは、ピザやポップコーン、ドリンクを手にする人の姿が見られ、スクリーン前にはヨギボーや座席に腰を下ろして、開演を待っていました。映画が始まると、自然と視線がスクリーンに集まり、先ほどまで交わされていた会話も静まって、場の空気がゆっくりと切り替わっていきます。

「ONE CINEMA」には、施設内のワインやデリなどのお店も出店し、映画の上映を盛り上げます。出店していたショップのスタッフは、「商業施設内のフロアで映画を観ながらワインを楽しむという様子はとても新鮮でした。」と語っていました。普段の売り場とは異なる環境のなかで、食事や映画と合わせてワインを味わう体験を通して、商品や飲み方について自然な会話が生まれていたといいます。

仕事帰りに立ち寄った女性グループは、「クリスマスのイベントだけど、室内なので寒くないし、雨でも気にしなくていい。映画を観ながら食事ができるのも特別感があってわくわくします」と話してくれました。映画館ほど構えず、かといって日常とも少し違う。そんな距離感が、「ONE CINEMA」の過ごし方として受け入れられている様子でした。
またファミリーで訪れていた人は、「室内で暖かく、子どもと一緒でも安心して参加できると思いました。ワンビル内で販売しているものであれば持ち込みもOKだったので、子どもたちは地下で買ってきたドーナツを食べながら楽しみたいです」と語ります。上映作品や時間帯によって、来場者の層や場の雰囲気が変わり、それぞれの時間に合った使われ方が自然と生まれていたようです。

またスカイロビーの一画に設置された「ONE MARCHE」には、館内の食物販店舗を代表して7店舗が日替わりでスカイロビーにサテライト出店。スイーツやサラダ、デリなど映画のおともにぴったりな商品はもちろん、一部の店舗では12/24・12/25に受け取れるクリスマス用の商品の事前予約も実施。オフィスフロアで働く人々が立ち寄る姿も見られました。

地下で行われた「MERRY GO UNDERGROUND」では、今回のイベントのために用意した 回転台の上にたくさんのお菓子がずらり。キラキラと七色に輝く回転台がフロア全体をクリスマスの雰囲気に変えていきます。その賑やかな様子に、フロアを歩く人たちが足を止めていました。
回転台に並ぶ商品は、B2Fの8店舗とONE FUKUOKA HOTELの人気のお菓子たち。クリスマスにぴったりな焼き菓子や ドリップコーヒーなど種類も幅広く、その中から4点を自由に選び、オリジナルの巾着に詰めていく形式です。

価格は1セット1,100円(税込)で、1日100セット限定。自分用として気軽に選ぶ人もいれば、贈る相手を思い浮かべながら組み合わせを考える人の姿も見られ、棚の前で立ち止まる時間そのものを楽しむような光景が広がっていました。
「昨日の昼休みに来たら終わっていて、今日はこれを楽しみに来ました!」と休日にワンビルに足を運んだ人は、自分用と贈り物用のお菓子を選びながら「あげる人の顔を思い浮かべながら選ぶのが楽しいですね」と話してくれました。

また仕事の合間に立ち寄ったという人は、「いろいろなお店のお菓子が一箇所に集まっているので、どれにしようかわくわくしました!初めて知るお店もあったので、今度は実店舗にも行ってみたいですね」と語り、お菓子を選ぶ時間が、新しい店を知るきっかけにもなっていたようです。
「MERRY GO UNDERGROUND」は12/19?12/21の3日間限定のイベントでしたが、全日程お昼過ぎには完売するほどの大盛況!さまざまなお菓子を手に取り、誰かを想いながらギフトを選ぶ幸せな時間。地下の一角には、そんなやり取りが静かに広がっていました。
仕事帰りに立ち寄る人、家族で映画を楽しむ人、館内を回遊しながら自分なりの楽しみ方を探す人。ワンビルの館内では、決まった過ごし方に縛られることなく、それぞれが思い思いの時間を過ごしていました。
映画をきっかけに立ち寄った人がマルシェをのぞいたり、「Spiral Xmas Market」や「MERRY GO UNDERGROUND」でギフトを選ぶ。初めて迎えたクリスマスながら、そんな流れが自然に生まれている様子も見られました。
ワンビルの初めてのクリスマスは、施設として完成されたクリスマスの形を提示するというよりも、「この場所でどんな時間を過ごすか」を、来場者それぞれが探しながら体験する時間だったと言えるのかもしれません。
今年、この場所で過ごされたさまざまな時間や風景が、次のホリデーシーズンに、また違ったかたちで重なっていく。そんな想像と余韻を残しながら、初年度のクリスマスは静かに幕を閉じました。
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Interview & Text & Photo_ Yumi hyfielde
Edit_ Taku Kobayashi