MEETS DIFFERENT IDEAS, LIFE×ART×CULTURE×BUSINESS×IMAGINATION×CO-CREATION. 

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ONE FUKUOKA PROJECT.

Xto1 PROJECT vol.1

ワンビル×あおぞらブルワリー
オリジナルクラフトビールを共同開発

OUTLINE

「ONE FUKUOKA BLDG.(ワンビル)」と博多区店屋町の「あおぞらブルワリー」が共創でオリジナルビールを開発。ワンビルに入居する企業のオフィスワーカーにも意見を聞き、たどり着いたコンセプトは「はじまりのクラフト」。“天神”と”創造交差点“から想起されるこだわりの味覚がまもなく誕生する。

BACKGROUND

ワンビルは、開業を記念してクラフトビールの開発・醸造を計画。 “地域”との共創、ワンビル入居予定の“オフィスワーカー”との共創という2つの軸をもとにパートナーとして選んだのが、博多区に居を構える「あおぞらブルワリー」だ。同ブルワリーは2022年のオープン以来30種以上の銘柄を製造し、委託醸造も多い。ブルワリーの快諾を受け、ワンビルオリジナルのビール開発はスタートした。

ワンビルに入居するオフィスワーカー約300人の声から“はじまりのクラフト”を造っていく

10月末、「あおぞらブルワリー」店内はオフィスワーカーで賑わっていた。オリジナルビールの最終調整に向けて試飲会が開かれたのだ。
どんなビールを創ろうとしているのか…?試飲するオフィスワーカーたちをドキドキした表情で見つめていた、プロジェクトメンバーの西鉄・天神開発本部福ビル街区開発部の徳久愛子さんに話を聞いた。

 “オフィスワーカーとの共創”との観点から、プロジェクトメンバーは、入居するオフィスワーカーにアンケートという形でビール造りに参加してもらうことにした。集まった回答は300を超えたという。

徳久愛子さん:「反響の大きさに驚いたし、ビール好きは多いんだなと実感してビール造りへの手応えも感じました。“天神”や“創造交差点”から想起する味覚は?という質問には、実にバラエティに飛んだ回答が寄せられました。最先端のイメージから“キレ”があるという声もあれば、歴史があるから“深み”があるという声もありました。真逆の意見も多くて(笑)。しかし、それが“天神”であり、さまざまなものが交わって生まれる“創造交差点”なのでしょうね。」


ワンビルのコンセプト「創造交差点」には、多様なものが混じり合って新しいものが生まれていくという思いが込められている。オフィスワーカーの回答は多様性にあふれ、その交わりから新しいビールが生まれていく過程は、まさにクラフト(創造)。「はじまりのクラフト」というコンセプトにふさわしいビールの誕生に、期待は高まるばかりだ。

オフィスワーカーと一緒に造った“我がビール”を囲んで交流が生まれ、新しい試みが生まれていけば…

ワンビルなどの完成によって、天神で働くオフィスワーカーの数はこれまでの2.4倍といわれている。

徳久さん:「まちの風景を彩るのは人ですから、ワーカーの姿が増えれば天神の風景はガラッと変わるでしょう。私たちはワーカーの皆さんも応援していきたい。ビールを囲んで職場の皆さんとの話が弾んだり、他社の社員さんと仲良くなったり。そういう交流が生まれれば嬉しいですね」


試飲会を見守っていたワンビルの開発事業統括責任者、花村武志さんは「オリジナルビールには皆さんの声が詰まっており、みんなで創った”我がビール”といえます」と語る。「福岡は支店経済と言われていますが、このビール開発に触発されて福岡から新しいプロジェクトが生まれ、支店発のプロジェクトが本社で採用されるといった逆の流れが起これば、なお嬉しい」と、開発の余波にも期待を寄せる。

“キレ”か? “コク”か? “香り”か?「あおぞらブルワリー」醸造家に聞く味の決め手

「あおぞらブルワリー」の醸造家・渡邊雄介さんは、開業記念のオリジナルビール造りを意気に感じているようだ。

渡邊さん:「多くは依頼主の希望にあうビールを造るのですが、今回は一緒に造り上げたいという依頼でしたから、そこにやりがいを感じました。話し合いをするたびに、ワンビルさんからどんどんアイデアが出てきて面白くなり、私もやる気が湧きましたね」


渡邊さんは、最も意見の多かった「キレのある」をキーワードに「飲みやすさ」を追求。原料や酵母、アルコール度数、香りなどを変えながら5つのビールを用意した。

1…苦みが強く、甘い柑橘類の香りが特徴
2…ホップの香りがきき、アルコール度4.5%の軽い味わいが特徴
3…小麦麦芽にペルシャン酵母を使い、コリアンダーのようなスパイシーな香りが特徴
4…アルコール度数8.0%。酵母が作り出す酸味と甘味が特徴
5…ケルシュスタイルが特徴。日本の大手企業の造るケルシュスタイルに近い。

黒板に掲示された試飲会のメニュー

さまざまなタイプをみると、 “天神”と“創造交差点”をいかに味に表現するか、渡邊さんの試行錯誤の様子が目に浮かぶ。これからさらに「はじまりのクラフト」というコンセプトにあうビール1つに絞っていく。

試飲会で「美味しい!」の歓声が上がる中ビール選びに悩むオフィスワーカー

試飲会に招かれたのは、ワンビルに入居予定のオフィスで働く人を中心としたワーカーたち。特徴が書かれた用紙を見ながら一口ずつ、噛みしめるように口に運んでいた。
やがて、あちこちから「これが好き」「私はこれかな」という声が上がった。

「5つとも美味しい!とても1つに選べない!」
「フルーティーな3番は好きだけど、このコンセプトに合うかな?」
1番はビールらしいビール?」
4番はワインみたい」
「あー、僕はワイン好きだからか、4番は好きだな」
「私は5番が好きかも」

まさに意見はバラバラ。ある女性は「シチュエーションごとに選びたくなる。頑張るぞというときはこれ、疲れたときはこれ、みたいに」とも。アンケート片手に頭をひねりながら味わう姿はビール造りに参加している姿そのものだった。

試飲会を経て一つの味に整え、仕込みがスタート 新春には待望のオリジナルビール発表

「開業記念に対してプレッシャーを感じる」と話していた渡邊さん。試飲会にはさまざまな年齢層の方が招かれ、ビールの好みや味の評価は分かれたものの、美味しそうに味わう皆さんの表情と活発な意見にやる気も一段と湧いたようだ。

渡邊さん:「試飲会の意見をうまくまとめ、プレッシャーを楽しみながら完成させたいですね。今回造るビールは、ワインのようにテーブルの真ん中にいる存在ではないでしょう。皆さんのコミュニケーションツールとして食事のかたわらにいるような、いい意味で軽い存在になれれば、と思っています。このビールをきっかけにいろんな人とつながり、会話が弾めば造り手として本望です」


さあ、どんなビールができあがるのか。お披露目はまもなくだ。

天神を象徴するクラフトビール
「ONE craft」(ワン・クラフト)満を持して誕生!

1月17日、「あおぞらブルワリー」(博多区)では、この日発売されたばかりのビールを囲むお客様の姿が見られた。そのビールは「ONE craft」(ワン・クラフト)。ワンビルの開業を記念して造られた“天神のビール”だ。ビルのコンセプトである“創造交差点”を表現している。心待ちにしていた人々は店内でさっそく喉を潤し、「飲みやすい!」と笑顔で話した。

冷冷泉公園近くにある「あおぞらブルワリー」はビール好きが集まる人気スポット

5つのホップを使った複雑で豊かな香りと
低アルコール度の飲みやすさが特徴

「ONE craft」は、天神で働く人々のアンケートをもとに「あおぞらブルワリー」の醸造家・渡邊雄介さんが醸造。試飲会を経て改良を重ね、完成させた。試飲会では緊張した面持ちの渡邊さんだったが、無事に発売に至った達成感と周囲の高評価に対する安堵感からか、この日は穏やかな表情を見せていた。

渡邊雄介さん:「試飲会のさまざまな意見を1つのビールに集約させるのは難しく、悩みましたが、もっとも意見の多かった<飲み続けられるもの><仕事帰りに軽く飲めるもの>に注目。麦芽の配合に手を加え、軽い飲み口の中にモルトらしさがしっかり出るように仕上げました」


琥珀の淡い色と豊かな香りのするクラフトビールらしさを残しつつ、キレのあるモルトの風味があり、飲みやすさが特徴のビールといえるだろう。



「天神や創造交差点という漠然としたイメージを味にするのは難しかったが、楽しさもあった」と話す渡邊さん。


ビールだけをお茶感覚でサラッと飲める「ONE craft」。さっぱりした口当たりで肉料理に合う。

軽い飲み口で飽きない“セッションIPA”
“創造交差点“のワンビルにふさわしいスタイル

ビール開発担当者の一人、徳久愛子さん(西日本鉄道株式会社福ビル街区開発部)は、試飲会後、渡邊さんからもらったメモを見て、「イメージ通りのビールが完成する!」と直感したという。そのメモは原料や味、アルコール度数などが書かれた、いわばビールのレシピ。そこには“セッションIPA”の文字があった。“セッション”はドリンキングセッションといわれ、酔いすぎない程度に長時間飲めるビールが多い。

徳久愛子さん:「ワンビルは“創造交差点”というコンセプト通り、いろんな方が交わっていろんな会話が生まれ、いろんなものが生まれていく場所でありたいと思っています。“セッション”はビールスタイルを表す言葉ですが、言葉の響きに交わるような印象があり、まさにイメージ通りでした。アルコール度数は4.5%と低めですから、同僚と仕事帰りにちょっと飲んでアイデアを出し合ったり、オンとオフの気持ちを切り替えるために飲んで帰ったりできます。イメージ通りに出来上がって満足しています」


「フレッシュさがあり、ワンビルのスタートにふさわしいビールができた」と喜ぶ徳久さん。


缶は、未来への余白を表した白地に、ビルの外観を模した四角のシルエットを配し、さまざまな価値観が混じり合う様子をグラデーションで表した。グラデーションにかかるように描かれた文字は枠にとらわれないことを示す。

渡邊さん:「アルコール度数の低いビールは得意であり、自分らしさも少し出せました。このビールがワンビルで提供される料理の傍らにいて、天神やワンビルが盛り上がる手助けになれれば、と思っています。大分出身の私にとって天神は時代の先端をいく都会のイメージでしたから“これからの天神”を表現するビール造りに関われたことは嬉しく、このビールが街を彩る要素の一つになれたら幸いです」

爽やかでフルーティーな味わい
飲みやすく「クラフトビールの印象が変わった」の声も


ワンビル開業を前にひと足早く店内で味わっていたお客様の反応は上々だった。

ビール好きだという西島さん、平野さん。5種類のホップを使ったと聞き、そのこだわりを味わいたいとオーダーしたという。
「爽やかな香りとスッキリした喉ごしが特徴的。すごく飲みやすいです」
「クセがなくて万人受けしそう。スッと飲めるので、夏だったらたまらないと思う(笑)。ランチビールみたいに昼から飲めそうです」

会社の同僚だと話すグループは「苦みが少なくてフルーティーな感じ」がすると話す。
「クラフトビールが苦手だった」という人も「これなら飲める」といい、「サラッとした味わいがお風呂上がりにピッタリ!」という声も上がった。
別の人は「ビールは何杯も飲めないけれど、これは続けて何杯も飲める」といい、クラフトビールの印象が変わったようだった。

「どんな時に飲みたいか?」と問うと、「味わう余裕のある土・日の昼。頑張った日のご褒美として、小さなハレの日に飲みたいかな」。
その声に、大きくうなずく皆さんだった。

「ONE craft」は、ワンビル開業の4月24日から「天神福食堂」(ワンビル5F)などで提供される。飲み心地の良いこのビールは、新たな天神の誕生をお祝いする“乾杯ビール”にまさにふさわしい。


「飲み比べセット」で飲み比べていた女性の二人連れ。「ONE craftを最初に飲み干しました!」と笑った。



仕事疲れを癒やす会社員の皆さん。「スッキリしていて何杯も飲める」と話していた。



「あおぞらブルワリー」では店舗とネットで缶も販売中。

TO BE CONTINUED

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